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ー来週、向こうに行く事になったから。 ちゃんと用意しておけよー
あの時…やる気と先の未来に胸膨らませていた木村さんは、目一杯の笑顔を向けてそう言った。
俺も一緒に行くのは、必然であるかのように…
俺自身もこの話が持ち上がった時、興味を惹かれていたのも事実で。
それに加え、海外に逃げてしまいたいと思う気持ちもあって…
本当の気持ちは一緒に行きたかった…
木村さんの下で、まだまだ学びたい。 それが本音だった。
だけど、それが俺の強い望みだったからこそ、それを掴んではいけないと…当時の俺は頑なに考えていた。
俺が断るとは少しも思っていなかった木村さんは、案の定 険しい顔を向け…会社帰りまで俺の家に来てゴネるぐらいだった。
結局は行かない事を強く望んだ俺に折れた木村さんは、俺を抜いたチームを連れ海外へと旅立った。
思えば…あの時に一緒に行っていたら、朝比奈とは再会出来ていなかったな。
まあ朝比奈が覚えていない時点で “再会” とは言えないのかもしれないが。
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