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「なあ奏? 本社に戻ったら菜緒ちゃんはどうするつもりだ?」
不意に投げられた言葉に、懐かしい思い出に思考を巡らせていた俺はハッとして我に返った。
「あ~、どうですかね。
初めは、仕事で居場所を確立させてやって。 しばらくはおいて行くつもりだったんですけど…」
そこで言葉を一旦切る俺に木村さんはニヤニヤと頬と口角を上げる。
「連れて行きたくなったか?」
「……まあ」
だけど それを選択する事で、自ずと話さなければいけない事が出て来る。
まあ朝比奈を側に置いている時点で、前の様に抗う気持ちは随分と無くなっているから…
後はタイミングだけ。
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