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*菜緒*
BARから戻って来た私は、ずっとベッドの上でクッションを抱きしめ考え事にふけっていた。
木村さんと話しをして、杉浦さんの過去に触れてもいいんじゃないかという思いに駆られている。
だけど触れたいと思う反面、やっぱりどんな過去が出てくるのか恐怖に思う部分もある…
実は結婚していて、私は浮気相手とかだったらどうしよう…とか。
私の存在自体が “取り返しのつかない事“ になっていたら…
私に触れようとする度に思い出すって言ってた事も頷ける…
そうじゃなくても、もし忘れられない人がいる…とかでも私の中ではカナリの破壊力がある。
そんな意味のわからない思想を巡らせながらクッションをギュウギュウ抱きしめていれば、カチャッと小さな音が微かに耳に届く…
さっきまでシッカリと閉じられていた扉が遠慮がちに開くのが見え、思わず体がビクリと飛び上がる…
電気の消された暗い部屋に、廊下の光が微かに漏れそこに杉浦さんの姿が映ったのが見えて 私の心に緊張が走った…
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