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『寒い…っ』
外に出て歩き出した私に冷たい風が頬を撫でる…身を縮めて歩いてると突然杉浦さんに手を繋がれた。
「雪残ってるから危ない」
あ、そっか…
やっぱり優しい杉浦さんに、さっきまで感じていた寒さなんてどこ吹く風で。 嬉しさを隠しきれない笑顔のまま杉浦さんの腕に手を絡めた…
……。
しばらく歩いて着いたその場所は、綺麗に玉砂利が敷き詰められた小さな神社…
初詣に来ている数人のカップルや家族連れの間を抜けて手水場にいき綺麗に手を洗ってから参拝する場所へと列んだ…
と、言っても私達の前には2、3組いるだけだけど。
『杉浦さん』
「ん?」
『東京は、初詣も結構な人で賑わってるんですよね?』
私の言葉に少し首を傾げた杉浦さんは、前の人が進んだ分だけ足を進め呟く…
「どうだろうな? 初詣なんて行った記憶ないからよくわからないけど、テレビとかで見る限りだと凄い人で賑わってるよ」
やっぱり…
そこはちょっと田舎で良かったと思いつつ最後の1組だった前の人が参拝を終えた為、いよいよ私達の番となった。
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