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時は流れて1月3日…
初詣に行ったあの日からあっという間に時間は流れ、その日になった…
冷たい風を背中に受けながらゆっくりゆっくりと雪の残る歩道を歩いていく…
緊張しているのか黒スーツに身を包んでいる杉浦さんは、お兄さんの家に向かっている間 終始無言…
繋ぐ手からも緊張しているのが伝わり、私は繋いでいる手を強く握り返した…
……。
バスに乗ってしばらく歩くと、一軒の赤い屋根の家の前で杉浦さんは足を止めた…
『ここ、ですか?』
「ん、そう。 凄い久々に来たな」
家の全貌を見つめる杉浦さんは過去を懐かしむようにそう呟いた…
「入るか」
私に言っているのか、それとも自分に言い聞かせているのか分からないけれど、そう呟いた杉浦さんが呼鈴に手をかけた瞬間 少し離れた所にある玄関のドアが開き、中から誰かが飛び出て来た…
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