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「苦しい離れて」
ドアから飛び出して来たのは愛美ちゃんで、そのまま杉浦さんの首に飛びつくように抱きついた。
「奏ちゃ~ん! パパに来るって聞いてからずっと、ず~っと待ってたの」
「分かったから、とりあえず離して」
宥めるように巻きついていた腕をやんわりと外した杉浦さんは、愛美ちゃんを抱っこし直す…
『杉浦さん、お兄さんに今日行く事 連絡入れてたんですか?』
「ん、勿論。 いきなり押し掛けて行く訳にもいかないし、朝比奈と行くって朝連絡入れた」
『そうですか』
私が頷くと、さっき愛美ちゃんが飛び出て来たドアが再び開きそこから輝彦さんが顔を覗かせた。
「愛美? わぁ奏一くんに菜緒ちゃん来てたんだ、
ごめんね気付かなくて」
「いえ、呼鈴鳴らす前に愛美が飛び出て来たんで」
「あはは、そうだったんだ。 愛美のやつ奏一くんが来るって聞いてからずっとそわそわ玄関でしてたから」
頭をポリポリと掻きながら杉浦さんに笑いかける輝彦さんを見て、彼の張っていた緊張が和らいだようにみえた…
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