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「さ、線香上げてあげて」
輝彦さんの言葉を聞いて頷いた杉浦さんは、愛美ちゃんを降ろし線香に火を灯した…
手を合わせる杉浦さんの隣に座る私も一緒に軽く手を合わせ瞼を落とす…
言いたい事は沢山あって、夕べから色々と考えてた筈なのに…隣から微かに聞こえた震える杉浦さんの声に、その殆どが何処かに消えてしまった。
ーごめんっー
微かに聞こえた声は、謝罪の言葉…
それを聞いて私の伏せてる瞳に涙が滲む…
きっと杉浦さん自身が直接お姉さんに1番伝えたかった言葉だと思う、だけど謝罪すらも許されない事だと自分を責めてしまって…
前にも…後ろにも戻る事すら出来なくなっていた彼がやっとこうやってお姉さんに会えて、本当に良かった。
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