キス~14~-2

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瞼を伏せた杉浦さんの前髪に触れたくて、なんとか点滴のチューブを伸ばし握られていない方の手でそれに触れた… 細くて柔らかいその感触は、彼がそこにいるんだという実感を与えてくれる… ずっと側にいてくれたんだ… 嬉しく思う反面、今度はいつまで居てくれるんだろうと疑念が頭に浮かぶ… せめて退院するまでいてくれたらいいのにな… そう思うけど、あの別れのメールを送ってしまったから それも無理かもしれない… 目が覚めたらそれで終わりなのかも… そう思ったら眠ったままの…私を見つめる事もなく、愛を囁く事なんてない このままの彼でもいいから 側にいて欲しいなんて思ってしまう… この刹那が永遠に続いてくれたらと、日村さんとの事を素直に認められない自分が…黒い影を纏ってそこに居た。
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