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杉浦さんにもっと近付きたくて、痛みの走る体を無理矢理起こした…
上半身だけ起こした状態でそっと杉浦さんの頭に手を置き、いつも彼がしてくれるように頭を軽く撫でてみた…
だけどその感触に驚いたのか突然バッと顔を上げるものだから、私は体を飛び上がらせる…
起きちゃった。
真っ暗な部屋のせいか、それとも起きたばかりだからか目を凝らしてした杉浦さんは私が起きている事に心底驚いたような顔を向ける…
「な…お?」
『あ、あの…』
迷惑かけて、ごめんなさい。 そう言葉を落とそうと思ったのに、それよりも早く杉浦さんに掻き抱かれた…
鈍い痛みが体に走るけれど、そんなのどうだってよくて…震える腕で抱きしめる杉浦さんを私も必死に抱きしめ返した。
寝ぼけててもいい、衝動的な行為だったとしても構わない。
理由がなんであれ、もう一度 この腕に包まれる事が出来た ただそれだけが嬉しくて自然と涙が溢れた…
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