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静かな真夜中の病室で、必死にキスを交わした…
私といた時間の中にもきっと幸せに思ってくれてた時間もあった筈…それを思い出して欲しくて、もう一度考え直して貰いたくて。
間違っていると知りながら必死にそう願った…
黙って私のキスを受け入れてる杉浦さんは今どんな顔を向けているんだろう、
瞳をギュッと閉じている私には分からないけど頬を包み込むようにして支える手は優しくて決して抗うような事は無かった…
「…菜緒」
少しだけ離れた唇を縫って滑り落ちる自分の名前…思わず目を開けた私を見て杉浦さんは言葉を紡ぐ。
「話しがある」
その言葉を聞いた瞬間 頭の芯が凍りつく…胸の心拍が一気に跳ね上がったのが分かった。
「少し前から話さないといけないとは思ってたんだけど…」
『…ゃ』
杉浦さんの真剣な表情を見て思わず聞きたくないと顔を手で覆い、言葉を遮る。
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