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「菜緒、 眠った?」
杉浦さんの囁くような呼び掛けが聞こえ私は顔を上げる…
お風呂から上がった私達はすぐにベッドの中へと入った、のぼせそうになっていた事もあって杉浦さんに腕枕された途端ウトウトとしてしまっていたけれど すぐに目を見開く…
『あの、まだ起きてますよ。 どうかしました?』
気怠い体を杉浦さんの方へ向けると私の前髪に優しく触れてから言葉を紡ぐ…
「向こうに行く前に式を挙げたいと思っているんだけど、菜緒はどう思う?
まあ結婚の話しもカナリ急だったからイキナリこんな事言われても困るだけかも知れないけど、向こうに戻るとしばらくはまとまった休みが取れないから、式だけでも菜緒が退職した後 向こうに行く前の期間に予定を組みたいんだけど」
どう思う? なんて優しい口調でそっと言葉を落とす杉浦さんにすぐに小さく頷いて見せた。
退職した後、引っ越すまでに4日間の猶予があると杉浦さんは言ってたっけ…
その期間を利用して式を挙げるって事か…
式の話しなんて出なかったからテッキリ挙げるつもりはないのか、それともまだ先の話しなのかと思っていた…
だけどやっぱり女として一生に一度はウエディングドレスを着たいし何より杉浦さんのタキシード姿が見たいから…だからこの申し出は凄く嬉しくて思わず頬が緩んでしまった。
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