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『じゃあ仕事は問題なく進んでるんですね? 良かった』
「ああ、大丈夫だよ」
料理を食べながら頷く杉浦さんの横顔をしばらく見つめる…
本当は日村さんの事を聞きたかったけど、ご飯食べてる最中にそんな話しはされたくないかなと思いやめておいた。
それに聞いた所で何も出来ないし…
残り後 一週間…何もないといいけどな、堀川さんが言ってたようになるべくは関わらないようにしたい。
「ご馳走様、菜緒風呂は?」
「え? あ、沸いてますけど、もうご飯食べたんですか?」
私が考えを巡らせている間に杉浦さんは黙々と食事を進めていて気が付けばお皿の上は綺麗になっていた。
「いや菜緒は入ったのか確認してるんだけど?」
『入ってないです…ってわあ!』
座っていた私を突然抱き上げた杉浦さんはヒビの入った足を気にしつつお風呂場へと向かう…
退院してから、何故か杉浦さんはお風呂に一緒に入ろうとする…
勿論 怪我もしている体の事を気にしてそうしてくれてるんだろうけど、これが中々恥ずかしい。
『きょ、今日も一緒に?』
「当然」
しれっとそんな言葉を落とす杉浦さんに、抗議しても無駄だと分かっているから抗う事はせず、そのまま静かに抱きかかえられたままお風呂場へと運ばれた。
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