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『お母さん!』
トボトボと歩くその後ろ姿を見つけ少し大きめの声を出し呼びとめる…
「菜緒さ、ん?」
『お母さんごめんなさいっ
2人で式を挙げると言っていたのに…』
はあはあと息を切らしながら謝るとお母さんはとんでもないと首を横に振りニッコリと笑いかける…
「2人で挙げるより大勢の人に祝福される方が良いに決まっているわ。
本当は来るつもりなかったんだけれど、どうしても奏の姿を見たくて…もう随分と会っていなかったから」
俯きそうお母さんが答えた瞬間、後ろから菜緒!? なんて私を追いかけて来たのか同じ様に息を切らし走ってくる杉浦さんの姿が見えた…
「菜緒…なんで急に走って何処に
……!!」
私を見つめた後、その後ろにいるお母さんの姿を見つけた杉浦さんは目を見開き怪訝な顔を向けた…
「どうして?」
『あ、あの…実は私が呼んだんです』
杉浦さんの心底驚いた様な顔を見つめ私は黙っていてごめんなさいと頭を下げた。
「どういうつもりか理由聞いてもいい?」
冷たい表情でそう聞かれて思わず口ごもってしまったけど、私は目一杯の笑顔を向け呟く…
『独身最後のサプライズです』
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