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歩いて行く彼女の背中をしばらく見つめた後、俺は視線を戻した…
「……。」
久し振りに見る母親の顔…
昔は直視するのを避けてたその目を今は真っ直ぐ見る事が出来る事に驚いた…
昔の様にその口から落とされるかもしれない鋭い言葉にももう避けようと思う気さえ起きていない事にも。
「可愛らしい子ね、彼女?」
「彼女とは何処で知り合ったんです?」
不器用な笑顔を向けてそう呟くその言葉に俺は被せるように質問を投げ掛けた、
まあ大凡の検討はついてる…
チラっと菜緒と何か話しをしている輝彦さんに視線を向かわせる。
「彼女とは1度 入院中にお見舞いに来てくれてそこで会ったの…
輝彦さんに、奏に会いたいと伝えたら彼女と話すのが近道だって聞いて」
「そんな話し、初耳だ」
「そりゃそうよ、その時奏に会いたいと伝えて欲しいって頼んだら彼女、自分は貴方の味方だから出来ないってハッキリ断られたから…
でもその時ここの場所を教えてくれたの」
「……。」
なんて言うか…彼女らしい
結局は突き放す事が出来ない所がすごく。
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