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『海~』
「菜緒、窓から顔出すと危ない」
車の窓から見えた一面青く澄みきった海に思わず身を乗り出すけど、危ないと注意を促す杉浦さんに腕を引かれ私はまた元いたシートへ体を戻した。
「海って言っても、結局2日しか休み取れなくて地元の海になったけどな」
『でも、ここの海 凄く綺麗だって昔から人気あるみたいですよ。
私もこっちにいる時は毎年来てましたから』
それに、この間は彼の仕事に着いて来てこっちに帰って来られたし、今日も本当はもっと遠出する予定だったけど休みが少なくて地元になってしまったけど…私はちょっと嬉しかったりする。
やっぱり住み慣れた地元は好き。
「駐車場ってあれか?」
『あ、そうです』
杉浦さんが投げた視線を追うように私も海からそっちに視線を向かわせ頷く…
『もうみんな来てるのかな?』
「あっちは、俺達と違って近いからもう来てるんじゃないか」
そっか…なんて言葉を返し、車が駐車場に入ったのを見計らい私は後部座席に置いていた鞄を手に取った。
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