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頭からシャワーをもろに浴びる私の服は水分を含み重くなる、だけどそんな事よりも突然こんな所に引っ張り込んでどういうつもりなのかとそっちの方が気になり目の前の杉浦さんに向かって声を絞り出す…
『杉浦さんいったい何考えて…』
「ん? 別に、ただ調べるなら直接調べたらいいのにって思っただけ」
直接調べるって……ま、まさか、体っ!?
『それなら… だ、大丈夫です! 杉浦さんの事信じてますからっ』
浮気チェックをしていると言った癖に、今更“ 信じてます ”なんて虫が良すぎるような気もするけれど緊急事態の今はそれしか出てこない…
『だからその、離してください』
逃げない様にか未だに私の腕を掴む杉浦さんにそうお願いしてみるけど、肝心の彼は離してくれるどころか少し開いてる私との距離をつめる様に近付いてくる…
瞬時に体を後ろに引くけど壁を背にして立っていた私は直ぐにそれに行く手を阻まれ、あ! なんて反応した時には近付いて来ていた彼と唇が重なっていた…
『……っ』
シャワーを浴び続ける私の視界はぼやけていて杉浦さんの顔ははっきりと見えない、ただ代わりに甘い熱が唇から伝わり彼の存在を伝えていた…
そのまま私をグッと引き寄せる杉浦さんは何度も角度を変え少し乱暴に私の唇を奪っていく…
彼の舌が私の唇を割って入ってきた頃には、もう抵抗する気さえ起きなくてそっと自分から彼の首に腕を回しキスを受け入れていた…
我ながら単純だと思うけど、結婚式の前には日村さんの事でバタバタしていて そのまま式を挙げ、その後は直ぐに引っ越しをしなくちゃいけなかったりで、それに加え仕事をしている杉浦さんは目が回る程忙しいスケジュールをこなしていたから、こうやってゆっくり触れ合える時間なんて殆ど無かった…
だからこんな強引な手段でも触れ合えるのはやっぱり嬉しい…
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