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『分かったらさっさと返事しなさいよ』
「えっ。 あの、でも私別の仕事が…」
『はあ!? 自分がトロいの棚に上げて何言ってんの』
すみません。 なんて謝る私より少しだけ身長の高い彼女を睨みつける…
シュンとした顔してみせてるけど、ムカついてるのがバレバレ…
大体 新入社員だからってみんなに優しくして貰えるのが当たり前って思ってるのがみえみえなのよ…
「ごめんなさい、すぐにこの仕事もやります」
ガバッと頭を下げて誰もいない休憩を涙浮かべて走り出て行く彼女の背中に笑いを落とす…
そんな顔したって、私には通用しない。
だって私がよくバカな男や面倒な先輩達に使う手だもん…
『…くだらない』
本当にくだらない…
呆れたようなため息を落として私は休憩室の1番前の席に腰掛けた。
この間まで、入院したり不倫相手と揉めたり色々あって忙しかったのに…
今はその人にもフラれて、挙句会社もクビ…運良く知り合いに紹介して貰えて今の会社に入れたけど。
半年何もない。
つまんない…
辛いと思っていた不倫もいざ無くなってみると虚しさばかりが心の底にこびり付いて、何をしてても前のように楽しさが見出せない…前はバカ女の涙なんて見たら胸がスーッとしてたんだけどな。
でもまあ、いいや。
先輩に頼まれた面倒な仕事はあのバカな新入社員に押し付けたし
『飲みにでも行こ~っと』
う~んと1つ伸びをして休憩室を出ようと足を進めた瞬間…
ガタッなんて椅子の動く音が聞こえ私の体は飛び上がる。
な、なんなの?
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