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『名前ぐらい教えてください~』
ちゃんと上目遣いを忘れず伏せた目を上げてみるけど、彼はいまだドアの方を向いたままだった…
「俺 営業2課の功平…って知らないよな、影薄いから俺ら。
じゃあ急ぐから、またね日村美優さん」
『……。』
自分で影薄いとか言うなんてバカじゃないの…
そう思って呆れた顔を向けた瞬間、突然営業2課の功平と名乗った男が振り返るものだから私は油断していた顔の神経に慌てて指令を出した…
どんな男もオチる完璧な笑顔を向けるけど、寝ぼけた顔した男はそれを見ても眉毛一つ動かさないまま呟く…
「その笑顔…あんたに似合ってないよ。 キモい」
『……!?』
バタンと閉まるドアの音が耳に響くけど、私は微動だにできないまま固まっていた…
キモいって何よっ!
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