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2人してその場に固まったままでいると、リビングのドアが再び開き杉浦さんが顔を出した。
「挨拶もなくて悪かったな」
『いやいいっすよ、それより菜緒ちゃん、大丈夫っすか?』
「ああ。 時々吐き気がするらしいが、堀川や誰か来ると気が紛れるらしいから直治まると思う」
そっか、良かった。 なんて言葉を落とすと杉浦さんは 少し俯き加減で俺達を見てる桜課長にソファーに座るように促す。
「何 飲みます? お酒以外ならとりあえずなんでもありますが」
「え、あ。 あのじゃあコーヒーを」
まるで喫茶店に来ているかのような会話を交わす2人を交互に見つめた後、俺も同じ物をと頼もうとしたら何故か俺だけ手招きされた。
「堀川は手伝え」
『あ、はい』
そのままスタスタ歩いて行くその後ろ姿を追うように俺もついて行き、菜緒ちゃんがいつも使っているであろうキッチンについた所で足を止め眉間にシワを寄せている杉浦さんを見遣った。
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