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ゆったりと、どこかふわふわと漂うような感覚のまま離れていく。
遠ざかる地上の人影。街並み。
穏やかな風に揺れる木々の葉は、夕日の色を浴びて濃いオレンジに染まる。
何もかもが溶けていく。その色に。
規則的な機械音と、わずかに軋む音を携えながら、私たちもその中に溶かされる。
圧倒的なその景色に、お互い言葉を失ったまま、ただじっと見入っていた。
残された時間はもうわずかだということは、わかってた。
それでも、その時の私たちには、ただその色の中でじっと想いを馳せることしかできなかった。
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