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「お、おはようございます。」
突然声がして私はパソコンの画面から目線を移し向かえに顔を向けた…
『莉之(リノ)ちゃんおはよ…』
真っ黒な黒髪が印象的な彼女は私の1年後に入社した言わば後輩、
後輩って言っても秀才な彼女は私より仕事は出来る為、彼女に勝てる所と言ったら今は身長と年齢のみとなってしまった…
そんな事を考えながら苦笑いを浮かべてると莉之ちゃんが口を開く…
「きょ、今日は早いんですね…
彼氏の家にお泊りでもしたんですか?」
目線はパソコンの画面を見たままの彼女は物凄いスピードでキーボードを叩きながらそう聞くけど
私は首を振る。
『違う違う、自分でちゃ~んと起きてきたんだよ』
得意気になって本日3回目になる”自分で起きました宣言 ”をする…
「そ。ですか…
じゃ私忙しいので」
『自分から聞いた癖に冷たっ』
なんて言いつつ彼女が無愛想なのはいつもの事だと諦め、またパソコンの画面を見つめた…
けど、やる事がない。
いつも上司から簡単なデータ入力やコピーしか頼まれない私は、自分から率先して出来る仕事なんてない…
チラっといつも少し偉そうに座る上司の机に視線を向けるけど、そこは空。
私に残された道は仕事をしてるフリしかない
はぁっとため息を落とすと莉之ちゃんが呟く…
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