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「美鈴、大丈夫……?」
アスミが悲しげに尋ねる。
俺達は、言葉も出せずに俯くばかりだった。
「あ、ああああああ! ああああああああ!」
美鈴が、ただただ意味の通らない絶叫をあげるのみだ。
「美鈴……」
アスミは悲しげに呟く。
それを見た梅屋敷博士が、悲痛そうに首を振った。
「完全に精神が崩壊してしまっている。どうやら限界を超えた恐怖を味わったようだ……」
転げ回る美鈴に、博士が鎮静剤を打つ。
博士は、ヘミナが呼んだ。
博士はヘミナに心を授けられるほどに、人間の精神医療に対して専門的な技術を持っているのだという。
この変態に任せるのは癪だけど、俺達には何もできない。
こんな無力感と絶望を味わったのは、初めてだった。
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