暗雲

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 マジでやっちゃったなぁ…と顔に手をあてる。  今回借りていた指輪やら小烏やらの装備を返しに高天原へ行った時のことだ――――  ――――…………なあ?  ――――はい……。  ――――私がなんと言ったか覚えているか?  ――――耳に焼き付けております。  ――――そのまま耳を焼いて塞いでやろうか?  ――――ヒッ…!?  ――――あれを危険に晒したどころか英国までついてきただと?なめているのか、お前。  ――――か、返す言葉もございません。  ――――勝手に渡欧したどころか他所の国の揉め事に首を突っ込みおって。そんなに私の言ったことは難しかったか、ええ?  ――――でも結果的には…  ――――結果論でものを言うな、今回は偶然うまくいっただけだ。次がうまくいく保証はない。  ――――……すみません。  ――――しかしまぁ、今回の件であちらに色々と恩を売れたのは確かだ。成果に免じて不問にしてやろう。英国の連中がお前を寄こせとうるさいがな、ナイトの称号を与えるなどと抜かしている。  ――――ないと?  ――――気にするな。それより、罰を無しにする代わりに夏の間に仕事をしてもらう。刀だけは持っていけ、詳細はいずれ連絡する。
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