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黒澤くんはよく分からない人だ。
優しいんだか感じ悪いんだか、分からない。
「黒澤くんって高校生?」
「まあな。高2」
「同い年だ!」
「マジ?俺はてっきりお前は高1かと」
「幼くて悪かったですね!」
同い年にしては大人びた雰囲気を持ってるんだな、黒澤くん。
「部活とか入ってるの?」
「いや、部活というよりバイトしてる。小遣いは自分で稼ぎたいし」
どうして両親と暮らしていないのかと疑問を持ったけど、踏み込んではいけないと思って聞けなかった。
「彼女とかいるの?」
このルックスだし、モテるに決まってる。
「いない。興味ないんだ、恋愛とか。バカバカしい」
「バカバカしくなんかないよ!」
「失恋した奴が言うな」
「そ、それは言わないでっ」
「まあ、俺はいいんだよ。自由気ままに生きてるし。女はしつこいから嫌だ」
「モテるんだね」
「まあな」
何でかな。
出会ったばかりなのにこんなにもリラックスして話せてる。
佐倉くんには全然話せない私なのに。
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