第1話

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黒澤くんはよく分からない人だ。 優しいんだか感じ悪いんだか、分からない。 「黒澤くんって高校生?」 「まあな。高2」 「同い年だ!」 「マジ?俺はてっきりお前は高1かと」 「幼くて悪かったですね!」 同い年にしては大人びた雰囲気を持ってるんだな、黒澤くん。 「部活とか入ってるの?」 「いや、部活というよりバイトしてる。小遣いは自分で稼ぎたいし」 どうして両親と暮らしていないのかと疑問を持ったけど、踏み込んではいけないと思って聞けなかった。 「彼女とかいるの?」 このルックスだし、モテるに決まってる。 「いない。興味ないんだ、恋愛とか。バカバカしい」 「バカバカしくなんかないよ!」 「失恋した奴が言うな」 「そ、それは言わないでっ」 「まあ、俺はいいんだよ。自由気ままに生きてるし。女はしつこいから嫌だ」 「モテるんだね」 「まあな」 何でかな。 出会ったばかりなのにこんなにもリラックスして話せてる。 佐倉くんには全然話せない私なのに。
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