第1話

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その後は二人で並んでテレビを観た。 家族といる時と同じくらい安心した。 さっきまで辛かったのに。 気付いたら私は眠っていた。 「ん・・・」 目を覚ますとブランケットがかかっているのに気付いた。 「おはよう」 「あ、あれ!?私、ここで寝ちゃってた!」 黒澤くんに声をかけられると、私はすぐさま起き上がった。 「今、8時だぞ」 「わ、私さすがにホテル帰らないと・・・」 「そうか」 「あ、あの・・・色々ありがとう。ごめんなさい、迷惑かけて・・・」 「いや・・・」 「今度は個人的に来るよ!ちゃんとお礼させて?」 「え?」 「とりあえず着替えなきゃっ」 「脱衣所貸してやる」 私は脱衣所で昨日着ていた服に着替える。 戻らなきゃいけないんだよね・・・ 憂鬱・・・ 「もう行くのか?」 「うん。皆、朝から観光行くって話してたし。帰るって早く言わないと」 「そうか」 「色々本当にありがとう!じゃあ・・・」 私は黒澤くんにお礼を言うと、ホテルに向かって歩き出した。 あの出会いはひと夏の出会いで終わると思っていた。 けど 本当は違った。 私はまだ知らない。
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