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黒澤くんがいてくれたから、私は一人じゃないって思えた。
何だかんだで良い奴なんだなぁ。
だけど
「藤枝さんっ」
放課後になると、いきなり佐倉君に声をかけられた。
「さ、佐倉くん・・・」
「夏休み、全然集まり来なかったから心配してたんだよ」
「ご、ごめんね」
けど、私はもうあのグループには・・・
「律子と何かあったんだよね?さっき昼休みも藤枝さん一緒じゃなかったし」
「うん、まあ・・・」
「そっか。でも、俺自身は藤枝さんと仲良くしてたいし・・・正直な話、あいつらとは合わないって俺も最近思ってて」
「佐倉くんも?」
「うん。だから、藤枝さんとは個人的に仲良くしたいなって・・・」
「そ、そっか!」
佐倉くん・・・
「今度さ、どっか遊びに行こうよ。誘うし」
「あ、ありがと」
「じゃあ、またね!」
「ば、バイバイ・・・」
やっぱり佐倉くん、良いなぁ・・・
「うぜぇ」
「わっ!黒澤くん!」
いきなり黒澤くんが現れたので私は驚く。
「まだあんなのが好きなのかよ?」
「分からない。でも、話しかけてもらえて嬉しかったかな」
「ふーん?何かイラッとするな」
「黒澤くんも恋愛すれば良いのに」
「女は面倒だ。しつけぇし」
「女の子にドキドキした事ないとか?」
私が聞くと、黒澤くんは私を見つめる。
「ん?」
「な、何でもねぇよ。とりあえず帰るぞ」
「あ、うん」
黒澤くん?
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