2話

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「しかし、今日は疲れた」 「一日中、女子に絡まれてたもんね」 「まあな」 「良いね。モテる人は」 「お前だって佐倉と話してただろ」 私達は話しながら一緒に帰る。 「佐倉くんはフレンドリーだからね」 「なぁ、藤枝。あんまあいつを信用すんなよ」 「どうして?」 「何か嫌な感じだ。俺が近くにいたのに無視だし」 「黒澤くんがまだ睨んでたんじゃない?」 「た、確かに目つき悪いかもだけどよ!何か、おかしいだろ」 「偏見はだめだよ。佐倉くんは良い人だよ。クラス委員で先生からも信頼されてるんだから」 「そうかよ」 「何で佐倉くんが嫌なの?話した事ないじゃない、黒澤くん」 「俺は嫌な奴だ。人を簡単には信用できないんだよ」 えっ・・・ 「黒澤くんだって良い人だよ!私は黒澤くん好きだよ?」 「えっ?」 「あ、変な意味じゃないからね!」 「わ、わーってるよ!でも、お前が思うような奴じゃないよ、俺」 「でも、私をたくさん助けてくれたのは事実だよ。私の事も信用できないの?黒澤くん」 「そ、そんな事ねぇよ。藤枝は裏がなさそうだし」 「良かった!」 「でも、佐倉は何か苦手なんだ」 「分からないよ?話したら仲良くなるかもだし」 「そうか?」 「うん!」 「でも嫌だ」 「何でさ!」 「何となく」 黒澤くん、何で不機嫌なんだろ。 「今度遊びに行こうって言われちゃった」 「にやけんな、キモい」 「本当ーに口悪いね、君は」 「楽しい話さっさとしろ。俺といるんだから」 「はい!?」 でも こんなやりとりも心地良かったり。 黒澤くんとは会ったの数回なのに何でこんなに打ち解けちゃうんだろ。 不思議だ。
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