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「顔、赤いよ?」
「あ、暑いからだ!」
「そっか。でも、残念。明日帰っちゃうんだ、私」
「ああ、そうだったな。東京に住んでるのか?」
「うん」
「そっか。東京ねぇ・・・」
「また遊びに来ようかな。ここ、気に入った。海あるからか何か落ち着く」
「え?」
「その時はちゃんと綺麗に泳いで君に自慢してやるんだから」
「え?あ、ああ・・・」
「やっぱイトコのいるスイミングスクール行こうかなぁ」
「と、とりあえず、着替え俺の貸す。潮の匂い気になるだろうから風呂行け」
「あ、うん!」
私はお風呂を借りる。
何だかんだで良い人だな、黒澤くん。
でも、不思議。
さっきまで辛かったはずなのに。
「何か落ち着かない・・・」
パンツは仕方なく、今日履いてたもの。
だけど
「男子の部屋行くってそういえば初だ」
ノーブラ状態だからなぁ。
「上がりました」
「ああ」
上がってから声をかけると、黒澤くんは雑誌を読んでいた。
「ぶかぶかだな。俺のスウェット」
「私、小柄な方だから・・・」
黒澤くんは普通だけど・・・
やっぱり落ち着かない。
「あ、そうだ。寝るなら叔母さんの部屋で寝ろよ?一緒の部屋はまずいし」
「あ、ありがとう・・・」
良かった。
一緒の部屋では無いみたい。
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