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「処女だと思ってたのに」
ユタカさんは私の身体から抜け出すとそんな風に言いました。
ユタカさんの言う事は私の頭の中まで浸透するのに、かなり時間がかかるので、身体を引き倒されるまでに言われたあれこれは、かなり後になってから、ようやく覚書になると言う感じでしたが、
この言葉だけは、随分質素な、いでたちだったので、
すんなりと頭に入りました。
そして、笑わないようにするのが大変でした。
今思い返してみても頭のいいユタカさんにわからないのが、不思議です。
薄暗い女には、薄暗い女であるが故の需要があるものなのです。
私の、身体に最初にのしかかったのは、私にノミの潰し方を教えた男です。
「薄暗い女が無傷でいるのは中々難しいことなのですよ」
そんな言葉が喉元まででかかりましたけど、私は気を取り直して薄笑みをうかべました。
そして今となってはユタカさんには言うつもりはありません。また薄暗い女だと言われてしまうだけですもの。
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