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「あらあら由ちゃんおはよう」
「おはよう静恵さん」
まったりとした口調で掃除機をかけながらこちらを見る女性…浅倉静恵(アサクラシズエ)さん。
うちの両親は外国暮らしだからという理由から母の友達の静恵さんと暮らしている。
清楚で美人…本当に大和撫子という言葉似合う…何より胸が大きすぎる。それ以外にも優しいなど長所が多すぎて…。旦那さんが居たらしいが昔に事故で他界して以来独り身を貫いている。
ガキな俺が思うことでもないが、正直すごいと思う。
「で、彼女はなんなの?」
「えっと私が聴いたのは由ちゃんの夫婦になるから一緒に居させて欲しいって言われたのよ」
ニコニコしている静恵さんにはなにも言えない…もう7年もの付き合いだからね。やっぱり本当なのかよ。
「そういうことだ…よろしく頼むぞ由夜」
「まだ名前も知らないんだけど?」
「君は、本当に忘れたのかっ」
またやられる…そう思った瞬間静恵さんが俺の前に出た。
「暴力は駄目ってさっき言ったでしょ、沙羅ちゃん」
沙羅……いやだめだ思い出せない。
けど…だけど何だろう…胸に引っかかるものがある。
「私は……ただ……くっ」
涙を溜めたかと思うとこちらに背を向け走って行った。
やっぱり傷付けたのか……そうだよな、相手は知ってるのにこちらは覚えてないんだから怒って当然か。
「由ちゃん、女の子を泣かせちゃだめよ?」
「うう…ごめんなさい。でも本当に覚えてないから…」
俺がそういうとお母さんに電話して聴いてみなさい、と諭されてしまった。
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