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はい、見つかりません。
どうするべきか…いや手当たり次第にということしかない。
迷った挙げ句に俺は最初に見つけた学校に向かう坂を目指していた。
公園とか駅とか回ったんだけどね…つうかいきなりすぎてまだ頭がついていけてない。
とにもかくにも色んなことを考えながら坂を登りきった。
相変わらず急いで登ると息が切れる危険な坂だ。
「なにしにきたっ」
居た…ようやく居た…いきなり夫婦になるとか言ってきた霞沙羅が…。
まあ怒るのも当然だよな。
「悪かった、すまん」
理由はどうあれ少なくとも女性である霞沙羅を泣かせたという事実は覆らない…。
だったら謝るしかない…。
頭を下げているため彼女の表情がわからない。多分さっきみた怒りの表情だと思われるが…。
「ふむ、許す」
あらあっさり…まあよかった。
とにかく同居は確定系だから遺恨は残したなかった。
「ふふ、ではよろしく頼む由夜」
「ああ、よろしく…沙羅?」
「何故疑問系なんだ…だが呼び捨ては悪くないな……なんなら昔通り沙羅ちゃんでもいいんだぞ?」
いやそれは恥ずかしすぎる…学校でも沙羅ちゃんとか言ってたらただの気持ち悪い子になってしまう。
俺としては普通な学園生活を送りたいわけで…。
「いや沙羅で……でもあれだ、さっきも言ったけど俺はお互いの気持ちが同じじゃないと付き合うとかは…」
「わかっているさ…すぐに君の心を私だけにしてやるさ」
そう言った沙羅の笑顔はなんだか輝いていた。
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