~第六章付き合って変わる奴ってなんかやだ~

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「な、なんなんだいきなり」 「ふふふ、一晩寝れば本調子さ…さあ由夜、キスさせろ」 リビングでソファーを挟み朝から沙羅と対峙していた。 昨日はあんなだったというのに朝起きたらこんなだ。 昨日…つまり帰りの電車で恥をかき家では先に寝た沙羅の代わりに静恵さんに付き合っていると報告したり…とまあ沙羅が終始大人しかったのだ。 「確かにそうだけど…な、なんか怖いんだよ沙羅の表情がっ」 「仕方ないじゃないか、緩みが止まらないんだ…今日から君を好きに出来ると思うと」 全体的に間違ってるだろ。 一瞬気が緩んだが、思った時にはすでに遅い。 飛び掛かってきた沙羅にマウントを取られなにもできなくなった。 「捕まえたぞ、私の可愛い由夜」 「沙、沙羅さん?」 「安心しろ、学校があるからキスだけにしてやるからな」 一大事だろ、キスだけでも…しかし抵抗する時間すらなかった。気がつけば柔らかい感触が唇に伝わっていた。 暖かく胸が騒ぎ出した。 嬉しいに決まっていた、好きな人間からのキスをいやだと思う人間はいないだろ。 あれ、口で嫌がってるふりして体は喜んでるって…まさか俺ってドMだったのか。
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