~第八章高坂由夜の憂鬱~

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結構ルンルン気分。 いや別に好きではないけどそういうのを観たことがない俺としては初めての体験で聞いたのと実際は違うんだろうなとか…。 「ガキか俺はっ」 「大丈夫か…今日の君はおかしいぞ?」 沙羅は相変わらず俺になにか疑惑を持っているらしく朝から終わりまで俺を観察するに留まった。 まあ代わりに俺の身体的変化にクラスの連中が絡んできてそれはそれで面倒だった。 天沢はえりすぐりにすると意気込み先に帰った。綾は例の如く部活だ。そういえばねぎらいにジュース奢ってもらったから今度なにかお礼をしたい。 「なんだ、その…すまない」 「え?」 「私は魅力的じゃないんだろ、正直に言えばいい…綾とか他の女子にも今日色々話をしたが、手を出されないのはやはり私に問題があるからだ。だからすまない」 なかば自虐的に笑う沙羅にああ、情けないな俺とか思った。 自分でも色々理由付けて避けていたと思う…思春期の真っ只中なわけだしエッチだってしたって許されるわけだ。 でもそれは自信がなかったとは別にやはり沙羅の体が目的とか思われても嫌だったからという明白な理由もある。 けどそれに今日の俺の態度が加わり沙羅を不安にさせたかもしれない。 「そんなことない、今日は大事な用事がある…だから浮気とか他の女の子と遊ぶとか絶対ないよ」 「本当か?」 無言で頭を撫でた。 待っててくれ沙羅…俺はスペックを上げてくるからなあああああああああ。
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