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用意が終わり生徒会長である麗子さんが選手宣誓を行う。親達もぞろぞろと集まり初め生徒達は全員集まっている。
静恵さんは綾のお母さん達、それに沙羅のお母さん達と一緒にきていた。
なんだ、綾の両親は今日帰ってきたのか…散々やられた記憶が蘇ってくるが、今は集中しよう。
体調も万全だしね。
それよりも誰もが麗子さんの凛々しい姿と美しい容姿に心奪われ雑音すら聞こえない…先生にもそれは言える。
これこそが彼女が生徒会長になった大きな要因だろう。
決められた文章、そして中学でも同じような選手宣誓は聞いたのに別物のようにさえ感じる…そんな彼女に俺は勝てるのか不安が高まる。
宣誓が終わると突然壇上に向かい宣誓していた麗子さんはこちらに一瞥をくれる。
それは一瞬だったのだがとても長く感じた…すぐに全体を見るように言葉を続ける。
「と、ここまではただの言葉並べだ。いいかお前達、少しでも手を抜いた者が居たら我が許さん。励めよ、もし我の目に留まる者がいれば可愛がってやる、以上だ。」
生徒のボルテージは一気に高まる。
俺が戦わなくてはならない相手は何故いつも強大なんだろうか。
隣の沙羅が俺のそんな気持ちを察したのか、ぐっと顔を近づけてきた。
ああ、沙羅は本当に優しいな…俺の好みは静恵さんのような人だったが、今ではこんなだ。
いい加減な男なのか俺は…。
「由夜、頬を噛み噛みしたいんだが…いいか?」
「今は無理だよね、うん…まあ頑張ろうね」
沙羅はこんな感じの子なのは知っているぜ。
本当に純粋で思いのままに行動してしまう。
なら俺もそうしようか。
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