~第十二章山篭もり~

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下手に動けば迷子になるかもしれない。 大体山と断定したが、どこの山かはわからないし果たしてここは山なのかもよくわからない。 周りは木しかないし先の方が起伏があるのをみるとやはり山か…いやもしかしたら樹海か。 樹海…いやいや確かに木しかないけど。 携帯は使えない…喉かわいたしお腹すいたな。 「こんなとき沙羅が居れば…」 「私が居たらどうなる?」 「俺を抱えて家まで帰ってもらう」 「せっかくキャンプにきたのだから帰らないぞ」 いつの間にか隣に沙羅が座っていた。 両手に袋を持っていた。 「ねえ、この状況はなんなの?」 「由夜と二人だけになりたかったから…おばけも出るよ、樹海キャンプ、を決行してみた」 苦笑いするしかない。 樹海かよ…なんで、なんでわざわざ樹海をチョイスしたんだ。 「馬鹿じゃないの?」 「由夜、今の立場で私に馬鹿と言うのか?」 顎を持たれ色々な意味合いを込めた笑い方をした。 自分で俺をこんなところに召喚したくせに優位に立つと言うのか。 「迷ったら最後ここからは生きては帰れない。私は余裕だ。君はどうだ?」 「う…ごめんなさい」 「わかればいいさ。あーはははは」 沙羅の高笑いに釣られて笑うことができなかった。 高坂由夜的にはおばけとかそこら辺の類に耐性がない。
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