新・第一章~ファンタジー?いいえ、わかりません~

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日の光りがカーテンから漏れて、それによって目が覚める。多分時間はギリギリかな。 それより寒い、沙羅を抱きしめないと…。 「あれ、なんだこれ」 「ん……んん」 目を擦り沙羅を確認すると、相変わらず下着姿で魅力的な沙羅だ。 おかしなことと言えば頭の上に尖んがった耳、小さくてキュートなお尻とパンツの間からはみ出した立派な尻尾。 黄色くてフサフサ…。 ああ、そうか…まだ体は疲れているから寝ろと幻覚を見せているんだな。 「ってんなわけないよな、ほっぺ抓ったけど痛いし」 ならこれは現実か? いやいやこういう安易な考えをするから俺はダメなんだ。 「はっ、おはよう由夜っ」 「おはよう」 「ふふふ、君が起きたら私はすぐに起きてしまう。おおっと隠し忘れたか」 そう言って指を鳴らすと隠れた、いや溶け込まれた、とでも表現した方がいいのかもしれない。 昨日の話の延長で証拠出してきたか。 認めざるを得ない状況というわけだ。 「でも沙羅だぞ。芸のひとつやふたつ持っていても不思議ではない…」 「なにをぶつぶつ言っているんだ。もしかして私と別れたいのか?」 「あ、いやそうじゃなくて…」 「そうか、君がそういう結論に落ち着いたのなら仕方ない。じゃあ私は食べて自殺か、殺して自殺か…選ぶことにしよう」 どっちも俺死ぬじゃん…つうか怖いよ。 そんな危ない沙羅を放置するわけもなく目の前に正座させた。 「で、どういうことなんだ?」 「由夜を失うぐらいなら私が終止符を打つ。何故なら私は君を愛して、愛して、愛しているのだからな」 「そっちじゃなくてさっきの…」 「尻尾と耳か…だから昨日言っただろ。証拠をみせたまでだ。全く相変わらず物覚えが悪いな君は…」 カチンときたけど今は堪えよう。 怒る時期ではない。
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