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黒猫のお面を着けた少年は左側からある集団を追い掛けていた。
その集団の先頭が見えると、少年は前へ回り込む。
後ろから追ってくる白いお面の少年に気を取られて、気付かなかったのだろう。
少年が回り込んだ時に集団は慌てて、右側へ逃げた。
…が。
「い…行き止まり!?」
リーダー格の人物が狼狽した声を上げる。
それを聞いた部下は、絶望を感じた。
「オレ達の庭で逃げられると思うなよ、ゲス」
ついさっき通った道を塞ぐように、二人の少年が立ちはだかる。
黒猫のお面の少年は、吐き捨てた。
「さぁ、吐け。
てめぇ等の悪事を全て。」
お面越しに少年は集団を睨む。
ゆっくり、ゆっくり近付いてくる少年達に恐怖を感じて、黙り込む。
「どうやら、腹に大き目のピアスホールを開けて欲しい様だな」
黒猫のお面の少年は、サーベルの半分くらい長い爪の先を、リーダー格の脂肪の詰まったお腹に宛がう。
スーツ越しでも、爪の鋭さを感じて、死の恐怖を覚えた。
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