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月日が経ち
10年後
その赤ちゃんは
成長して
庭に置いてある
テーブルの椅子に
座り
難しそうな本を
見ながら
紅茶を飲んでいる
横には
初老の執事が
ティーポットを
持ちながら
立っている。
「じいや……
何でボクは
この屋敷の外には
出ては
いけないの?
篤樹にぃとアンナは
学校という所に
行っているのに
ボクも行って
みたいなぁ……
学校」
「颯志様
いつか分かる時が
きます。
きっともう少し
大人になったら
その時ちゃんと
お話しますよ
このじいやが……
学校は勉強する所
いつも
颯志様は
私とこうやって
お勉強しているので
行く必要はないのです。
ゴホッ……ゴホッ……」
「じいや……
大丈夫!!」
じいやと呼ばれる
スーツを着た老人の男性は
咳をして
少しよろける
「大丈夫ですよ……
颯志様
そろそろ
篤樹とアンナが
帰って来る頃ですよ
それに
今日は加代さんが
来る予定です。」
「そうだね
今日は加代さんが来るの!
また
ボクの姫様の話
聞けるかな?」
「聞けますとも
加代さんが来るのは
颯志様に
姫様の話をするために
来られているのですから」
「そうなの!
ボク今日の
話も楽しみ」
「では
手を洗って
屋敷の中に入りましょう
颯志様」
「うん!じいや」
二人は
屋敷の中に
入って行く……
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