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「どうですかね…ボクが言っても成瀬先生には成瀬先生なりの考えとか計画があると思うので…難しいと思いますよ?お仕事の事なら尚更」
「そういうものか…成瀬先生には期待してるんだが、なんせ自我が強くてね、手に負えないっていうのか」
困ったように眉を下げる教科長に曖昧に相槌を打つ。
灰の手綱はなかなか握れないと思うけどな…どっちかと云うと教科長の方が灰の良いようになってる気がするけど…。
そう考えると少し可哀想に思えてきた。
「えっと、大丈夫ですよ。成瀬先生は必要な事はしっかり聞いてますし、自分の考えが強いだけで、助言は取り入れてると思います…たぶん」
自分で言っておいて不安になる。教科長も少し不満な顔だ。
「…多分じゃ困るんだがね。成瀬先生が無条件で話しを聞き入れる相手が如月先生しか居ないんだよ。頼むよ」
そんな事頼まれてもこっちの方が困る。
「…えっと、お仕事のことでボクが口出しはしたくないので…」
「そんな事言わずに」
「雪に何の用ですか?」
随分威圧的な声が聞こえた。声を辿れば間違う筈もなく灰が攻撃的に教科長を見据えている。
「あ、ちょっと世間話をしてただけですよ?成瀬先生、準備は良いんですか?」
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