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ここはボクが助け船を出した方が良いだろうと口を開けば、灰にはよく思えなかったようで空気が重くなる。
「準備は大体終わったから大丈夫だ。丁度良いので言っておきますが教長、変に雪を構うのはやめろ。俺の知らねぇところでまだ雑用に使ってるらしいが雪は雑用係りじゃねぇんだよ。雪の仕事のペースを乱すな。あと」
慌てて灰の口を両手で塞ぐ。
わぁーこの人どこで暴走しちゃったの!?
教科長の青い顔見て再びボクが全力で謝った。すっきりはしない。
教科長は一歩足を下げながらも灰に対して口を開いた。直属上司でもこの態度、灰の傲慢さはボクが思っていた以上に治ってはなかったらしい。
「…その事については反省している」
「教頭にも言っておいてください。雪を勝手に使うんじゃねぇって」
「成瀬先生!」
易々とボクの手から逃げて勝手な調子でまた言葉を続ける。ボクが諫めるような口調で名前を呼ぶとゆるりと視線が送られた。
「ボクは大丈夫ですから」
はっきりとそう告げると何故か髪を撫でられた。視線は温かな感じだ。
また子ども扱いされてる?もしかして。
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