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スッと人差し指がボクの頬を滑り撫でる。離れそうになる灰の指を追いかけてしまうのは最早一つの癖でどうしようもない。
「如月先生は国語団には所属してないだろう!駄目に決まってるじゃないか!」
「あっそ。じゃあ、んなのいらねぇ」
いらないとかではなくて、と必死に考えを改めさせようとする教科長と揺るぎない瞳を細め、反論は受け入れない灰。ボクはそっと溜め息をついた。
「教長。今回は成瀬先生1人に任せてみたらどうでしょうか。ボクが口を挟むのも変ですが彼の勉強にもなると思いますし、後継者を育てたいのなら尚更。成瀬先生はヘタな補助のいない方が力を発揮しますよ?」
「さすが元仕事をしない副会長は言うことが違うな」
せっかく助け舟を出したというのにこの言われようは酷い。ムッとした表情を向ければ、褒め言葉だと告げられる。
絶対におかしい。
「なんかあったら教科長を頼りますよ。その時はよろしくお願いします」
ここでの礼儀正しさは狡い。教科長もたじろぎ「あ、あぁ」なんて了承してしまっている。
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