scene007

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ボクのやる気の急下降などお構いなしで会議は始まった。席が後ろの事を良いことに頬杖を付き、熱のこもった教師たちが進める教育課程の説明を聞いていた。 「相変わらず激しいですね。5教科団は」 バッと隣りを向くと大槻先生も頬杖を付き、苦笑いのような表情を浮かべていた。 これはボクに話し掛けているのか? そろーっと青木先生を横目で確認するとペン回しをしながら今説明している数学科の書類に目を通していた。 「特に質疑応答の所なんて国会を思わせますよね。ね、如月先生もそうは思いませんか?」 「えっ!?え、あー…そうですね…!」 名指しに驚いて会議中なのに大きな声をだしてしまった。ただ気にするような素振りを見せたのは周りの先生方だけのようで、 ホッと静かに安堵した。 「さっきから、どうでも良い質問ばっか、5教科団って俺らのこと下に見てるけど本当はアホの集まりなんじゃないですか?」 あれ、おかしい。ボクの知ってる優しい大槻先生がおかしい……。 「この会議って他教科の貶し合いにしか思えないし。本当どうでも良い。てか、同僚の粗探しして楽しいのって感じですよね?」 「……確かに」
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