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バッと顔を上げると、嫌がってるように顔をしかめる大槻先生と面白がるように口元を緩ませる青木先生。
うわぁあっ!ありがとうございますっ!やっぱりやっぱりっそんな関係!?ボクらの事言えないじゃん!そんなにボクの背後で見つめ合わないでよ!退こうか?邪魔だよね?うわっ今の全部チャラにできる!菩薩の表情で見守ってあげるよ!
「お前が如月先生いじめてるからだろ?」
「いじめてないしっ」
「いーや、いじめてた」
「いじめてないから!……って如月先生その顔止めてください」
そんなボクのことなんてほっといて2人の普段の様子を見せ付けてくれればいいのに!仲良しー!
「ボクどんな顔してますか?」
「んーなんというか……聖母の微笑み?」
いえ、これは菩薩顔ですとは言えず、取り敢えず危機は過ぎたのでよしとする。頭の中にある花畑を駆け回りながら会議の続きを眺めてようと視線を前に向けた。
「それでは続きまして、国語科。副教科長 成瀬灰先生お願いします」
「はい」
ボクの背筋がピンと伸びた。いつもより堅い声、でも聞き慣れた声にパチンと妄想世界から現実世界に強引に引き戻される。
なんてタイミングなんだ!と思いながら若干睨み付けると、軽く本気で睨まれた。
なに!?ボクが睨んだから怒ってるの!?
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