scene007

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でもこれが終わったら灰の出番も終わりで緊張しないで済む!ボクが。 「では、数学科 岸島先生どうぞ」 でたっ!記者島先生!論破してやれ灰!!う、また睨まれた!?さっきから何!? 岸(記者)島先生にマイクが渡り、キランとその眼鏡が光りを跳ね返した。彼のもはやパフォーマンスになりつつある国語科への取材式攻撃が始まる。唯一違うところは相手が灰と言うところだ。 「T.Tの説明はとても分かりやすかったのですが、実際に行ってみての困難とかありますか?例えばパートナーの教員とそういう間柄になってしまった、とか」 「は?」 灰の更に威圧感のある声質にボクの背筋はこれ以上は無理ってくらい伸びたのだが、岸島先生は灰の雰囲気の変化に気付かないようで、その口を開き続ける。 「ほら、職員室で話題に上がっているじゃないですか。貴方と小野塚先生がキスしてたって。まぁ2人で授業を受け持つわけだから相性も良い方が良いとは思うのですが?そっちの方の相性も良かったりして?」 その瞬間、全職員の好奇の目は3方向にきれいに分かれた。灰と小野塚先生。そして気付いている人はやはりいるようでボクにも遠慮がちに向けられた。 隣りの大槻先生と青木先生からも一瞬だが視線を感じる。 本当はずっと知りたかったけど、この場所でこのタイミングで灰の口から聞きたくないよ。
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