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「あれ? 夏くんって生徒会ですよね?放送部と兼任してるんですか?」
フッと浮かんだ疑問がなんの妨げもなく言葉となる。
「青葉夏と仲良しなのに教えて貰えなかったんですか?あの腐男子会計、如月先生に報告なしだなんて首打ちだな」
「今の腐れ会計様は副部長なんですよ!なんでも前部長からの任命だったらしく…なんか美味しい匂いがするのですが、何か聞いてませんか?先輩×後輩的な何かを!男前×腐男子的な何かを!」
んー…と記憶を呼び起こそうとしても記憶の中の夏くんが邪魔をする。とても迷惑。
「さぁー、夏くんから前部長の事を聞いた事は無いと思いますし、ボク放送部に詳しくなくて…前部長が誰かも、ちょっと」
失礼な事を口にしているのは明白だったので言葉尻が段々小さくなっていく。
「えー!!学園1の男前だったのに知らないなんて勿体ないですよ!」
それは勿体ない!
ノーマークだった人物に思いもよらず悔しい思いをする。ここが防音対策が完璧な個室で誰の目にも触れない場所だったなら、今すぐに机をバンバン叩き悔しさを体全体で表している筈だ。保健医らしい困った微笑みを浮かべながら考える。
「そうだったのですね。知りませんでした」
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