scene008

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堤委員長の言葉を皮切りに委員たちも「ありがとうございます」と次々に椅子に座っていく。 ボクはこの行動にポカンとしてしまった。今までボクが応援を促しても「仕事がありますから」の一点張りという恒例のやり取りがあったのだ。それが無いことに対して不審な委員会にモヤモヤしてしまう。 この腐男子集団怖い。 今年も例年通り各競技に教師の参加もあり、次の競技に参加する教師の放送での呼び出しが始まった。ちなみに灰は午前中で2種目、100メートル走と障害物リレーに出場し大活躍。終始だるそうなジャージ姿の灰に歓声は止まなかった。 『……先生、如月先生の6名の職員は至急入場門までお集まりください』 聞いたことある名前だなという認識から今ボクが呼ばれた?と気づくまで時間を要し、ハッと心当たりに横に視線を移すと、ピースサインを向けてくる保健委員一同が整列を見せていた。 俺ら頑張りました!みたいな表情止めて!端からそのピースサイン折っていきたくなるから! 今までの違和感と不審感はこれかと妙に納得してしまい再び放送が掛かり変な注目を浴びる前にと重い腰を上げた。 『なんと今年は保健委員会の協力もあり如月先生が1種目だけ参加することになったそうですぞ!よくやった保健委員会!怪我や熱中症の処置がある保健医の先生が場を離れる訳なので怪我するんじゃないですぞ!ジッと黙って如月先生の勇姿を見届けようぞ!』 変な注目されたくないって言ったよねボク? 放送席に座る夏くんを遠目から睨み付けて念を送る。前部長とのこと聞きまくってやるから!そうやって高みの見物してられるのも今のうちだからな傍観腐男子め! もうすでに椅子に座りたくなってきた。
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