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どうしよう。走れないような気がしてきた。
このままではダメだと足首を回したり軽い準備運動を始める。
「あれ?本気でいくの?」
「え、いや……普段運動というものをしてこなかったもので」
あぁ。と納得した小野塚先生が「俺も」と本当か分からない同意をする。
「これさー結構好きな人とかお題として出るんだね」
ボクに合わせるように準備運動をし始めた小野塚先生が意味深に呟く。
「…そうですね……去年より多い気はします」
計画立案があの夏くんじゃ仕方がない話だ。好きな人、憧れている人、話してみたい人、感謝してる人、謝りたい人、怖い人、他にも夏くんらしいお題に溢れている。参加する側から見ればそのお題の内容は途轍もなく怖い。
お願い!普通のお題にして!
というボクの願いはきっと叶わないだろう。
『やってきました!最終レース!最後のトリを飾るのは勿論っ種目初参加の如月先生です!これまた白衣が眩しいですぞ!どんな借り物なのか注目です!てか隣りマジか!?マジか!?がんばれー!負けるなー!』
生徒たちの目を集めるような放送に睨みつけたくなるのを堪える。
「ねぇ、如月先生?」
「はい」
午前中最後の種目、最後のレース。声援や応援は量を増やした。それでも隣りの小野塚先生の声はやけにはっきりと聞こえた。
”勝ったら灰にもう一度告白しても良いよね?“
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