scene008

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「そのニヤついた顔どうにかならないのですか?」 酷く見下したような目つきをしたいらしい鈴城くんに思いっきりの笑顔を向ける。 「仲良しだねっ」 言葉に詰まったような鈴城くんはボクの頬を摘まむという攻撃手段に出た。痛いけど可愛らしい表情の鈴城くんが見られたので寧ろ優位はボクにあると感じる。 「痛い痛いっ!照れないでいいのにっ」 「ちょっと煩いですよ?というか貴方はまず自分の失態を気にした方がいいんじゃないですか?」 いきなり現実という谷底に突き落とされた気分だ。少し機嫌が悪くなった事を分かりやすく目つきを変えて伝え、ボクも鈴城くんの頬を目掛けて手を伸ばす。 「仕方ないか、で済まそうとしてるんだから、ほじくり返さないでよ!」 むにぃーと良く伸びる頬を左右に引っ張ると鈴城くんの眉が寄る。抵抗を示すが、ボクは頬は離さない。 「止めてください。どうせ成瀬先生がどうにかしてくれるだろうとか思っているんでしょう?」 「あっ傷ついた!傷つきました!そんなことないっ」 図星のような気もするけど見ない振り。10年くらい甘えてきたんだからその癖がなかなか治る訳がないっと言い訳が浮かんでくる。 「いいえっ貴方の事だからそう思っている筈です!」
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