2705人が本棚に入れています
本棚に追加
/347ページ
「えっと、あの、……この度は誠に申し訳ございませんでした…」
「それは俺に言ってるのか?」
鈴城くんが横にスライドしたのでボクも後に続いて横に移る。
「あの、僕の後ろに隠れるの止めていただいても良いですか?貴方カマキリを素手で捕まえられるくらい男前なんですよね?」
吹き出したのはまたもや一条くんだ。「すげぇな」と褒めるような言葉は出しているが、その声は確実に笑いが混じっている。馬鹿にしかされていない。
「いい加減離れてください!暑苦しい!だいたい貴方の方が背高いんですから」
「良いじゃん!だって!あっ、ちょっと勝手に動かないで!」
「痛いっ痛いですから!腕離して!」
「そんなに嫌わないでって!」
「そうじゃなくて!」
ベリッとボクらを離したのは灰だった。はがされた反動か鈴城くんがフラついたのが見える。
あの鈴城くんを雑に扱えるとは…。
フラついた鈴城くんに一条くんが手を差し出してその手を思い切り叩き落とした鈴城くんの手をしっかりと確認してから今の状況を振り返る。
「うわっ!灰!?」
最初のコメントを投稿しよう!