scene008

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「で、如月先生のお題って何だったんだ?すぐ手が出る人?」 また被害にあっている。一条くんって意外とMなのかな…違うか。 「え、あー…お題は」 何となく本人目の前では恥ずかしく思えてきて言葉が濁る。そんなボクに鈴城くんの疑り深い視線が刺さった。 「別に悪口でも怒りませんけど?」 その割には威圧感が凄いし、言えるもんなら言ってみな?と心の声が洩れている。 「悪口じゃないよ!…」 「じゃあ何ですか?」 「えーっと、………だから!友達ってお題!」 グイッと迫ってくる鈴城くんから話を逸らすことも出来ず、なんの飾りも無い言葉が出てしまった。 一瞬の沈黙は途轍もなくボクを恥ずかしくさせる。誰か何か言って!と願ったら笑い声が聞こえたが一条くんじゃなくて、まさかの灰。一条くんはその数秒後に期待を裏切らず吹き出した。 「貴方と僕がいつ友達になったんですか!?」 思いっきり目を逸らされた。
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